救命処置の流れ成人・小児編

更新日:2022年07月13日

処置の流れ(心肺蘇生法とAEDの使用)成人・小児編

1.安全の確認

2.反応の確認

3.助けを呼び119番通報・AED依頼(通信指令員の指導に従う)

4.呼吸の確認

5.心肺蘇生法を開始する(胸骨圧迫と人工呼吸)

6.AED装着

7.AEDの使用と心肺蘇生の継続

 

1.安全の確認

 ・誰かが突然倒れるところを目撃したり、倒れているところを発見した場合には、
  近寄る前に周囲の安全を確認します。自分の安全を確保したうえで、傷病者を
  救護します。

  

 

  ◎ポイント

   ・危険がなくなる、あるいは排除できるまで、近寄ってはいけません。もし、救
    護者が怪我等をした場合、救護者も傷病者になってしまうからです。

 

2.反応の確認

 ・傷病者の耳もとで「大丈夫ですか」または「もしもし」と大声で呼びかけながら、
  肩をやさしくたたき、反応の確認をします。

  

 

  ◎ポイント

   ・呼びかけなどに対して目を開ける等の動作がなければ「反応なし」と判断し
    ます。

   ・けいれんのような全身がひきつるような動きは「反応なし」と判断します。

   ・反応があれば、傷病者の訴えを聴き、必要な応急手当を行います。

   ・反応がない場合やその判断に自信が持てない場合には、心停止の可能性
    があります。大きな声で「誰か来て!人が倒れています!」と助けを求めま
    す。

 

3.助けを呼び119番通報・AED依頼(通信指令員の指導に従う)

 ・助けを求め、協力者が駆けつけたら、「あなたは119番へ通報してください」「あ
  なたはAEDを持ってきてください」と具体的に依頼します。

  

 

  ◎ポイント

   ・協力者が誰もおらず、救助者が一人の場合には、まず自分で119番通報を
    してください。また、近くにAEDがあることがわかっている場合には、AEDを
    取りに行ってください。

   ・応急手当の手順がわからない場合でも、119番通報をすれば、通信指令員
    が呼吸の確認等の手順を指導してくれます。

 

4.呼吸の確認

 ・傷病者が「普段どおりの呼吸」をしているかどうかを確認します。

 ・10秒以内で傷病者の胸や腹部の上がり下がりを見て、「普段どおりの呼吸」を
  しているか判断します。

 ・反応はないが、「普段どおりの呼吸」がある場合は、様子を見ながら応援や救
  急車の到着を待ちます。

  

  ◎ポイント

    次のいずれかの場合には、「普段どおりの呼吸なし」と判断します。

    ・胸や腹部の動きがない場合

    ・約10秒間確認しても呼吸の状態がよくわからない場合(自信が持てない場
     合)

 

5.心肺蘇生法を開始する(胸骨圧迫と人工呼吸)

 ア.胸骨圧迫

  ・傷病者に「普段どおりの呼吸」がない場合、あるいはその判断に自信が持て
   ない場合には、心停止と判断し、直ちに胸骨圧迫を開始します。胸骨圧迫に
   よって、全身に血液を送ることが期待できます。胸の左右真ん中にある胸骨
   の下半分を、重ねた両手で強く、速く、絶え間なく圧迫します。

   

 

  ・胸骨下半分に、片方の手の付け根を置きます。

  ・他方の手をその手の上に重ねます。両手の指を互いに組むと、より力が集中
   します。

  ・両肘をまっすぐに伸ばして手の付け根の部分に体重をかけ、傷病者の胸と垂
   直になるよう心がけ、胸が約5センチメートル沈むまでしっかり圧迫します。

  ・1分間に100~120回の速いテンポで連続して絶え間なく圧迫します。

  ・圧迫と圧迫の間(圧迫を緩めるとき)は、十分に力を抜き、胸が元の高さに戻
   るようにします。

  ・小児には、両手または体格に応じて片手で、胸の厚さの約3分の1が沈むまで
   しっかり圧迫します。

   

   

 

  ◎ポイント

   ・約5センチメートルは、単三電池の長さとほぼ同じです。

   ・心肺蘇生を行っている間は、AEDの使用や人工呼吸を行うための時間以外
    は、胸骨圧迫をできるだけ中断せず、絶え間なく続けることが大切です。

 

 イ.人工呼吸

  ・30回の胸骨圧迫が終わったら、直ちに気道を確保し人工呼吸を行います。

 

  a.気道確保(頭部後屈あご先挙上法:とうぶこうくつあごさききょじょうほう)

   ・傷病者ののどの奥を広げて空気を肺に通しやすくします(気道の確保)

   片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先(骨のある硬
   い部分)に当てて、頭を後ろにのけぞらせ(頭部後屈)、あご先を上げます(あ
   ご先挙上)。  

   

 

  ◎ポイント

   ・指で下あご(骨の部分)を指を当て、口が閉じないように添える程度としま
    す。

 

 b.人工呼吸(口対口人工呼吸)
  ・気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ
   ます。
  ・口を大きく開けて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして、息を約1秒
   かけて吹き込みます。傷病者の胸が上がるのを確認します。
  ・いったん口を離し、同じ要領でもう1回吹き込みます。

  

 

  ◎ポイント

   ・2回の吹き込みで、いずれも胸が上がるのが理想ですが、もし、胸が上がら
    ない場合でも、吹き込みは2回までとし、すぐに胸骨圧迫を再開します。

   ・人工呼吸をしている間は胸骨圧迫が中断しますが、その中断時間は可能な
    限り短くします。

   ・傷病者の顔面や口から出血している場合や、口と口を直接接触させて口対
    口人工呼吸を行うことがためらわれる場合には、人工呼吸を省略し、胸骨
    圧迫のみを続けます。

 

 c.心肺蘇生(胸骨圧迫と人工呼吸)の継続

  ・胸骨圧迫を30回連続して行った後に、人工呼吸を2回行います。
  ・この胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ(30:2のサイクル)を、救急隊員と交
   代するまで絶え間なく続けます。
  ・人工呼吸ができない場合には、胸骨圧迫のみを行います。

 

   ◎ポイント

    ・救助者が2人いる場合には、疲労により胸骨圧迫の質が低下しないよう、1
    ~2分間程度を目安に交代して下さい。

 

6.AED装着

 ・AEDが届いたらすぐにAEDを使う準備を始めます。

 ア.AEDを傷病者の近くに置く。

   

 

 イ.AEDの電源を入れる。
  ・AED本体のふたを開け、電源ボタンを押します。(ふたを開けると自動的に電
   源が入る機種もあります)

   

 

   ◎ポイント

    ・基本的に、AEDのガイダンスに従うことで、使用可能となります。

 

 ウ.電極パッドを貼る。
  ・傷病者の衣服を取り除き、胸をはだけます。
  ・電極パッドの袋を開封し、電極パッドをシールからはがし、粘着面を傷病者の
   胸の肌にしっかりと貼り付けます。
  ・機種によっては、電極パッドのケーブルを接続するために、ケーブルのコネク
   タをAED本体の差込口(点滅している)に差し込むものがあります。

   

 

  ◎ポイント

   ・AED本体に成人用と小児用の2種類の電極パッドが入っている機種や成人
    用モードと小児用モードの切替えがある機種があります。その場合には、小
    学生以上(小学生を含む)には成人用の電極パッド(成人用モード)を使用
    し、未就学児には小児用の電極パッド(小児用モード)を使用してください。
    小学生以上には、小児用の電極パッド(小児用モード)は使用しないでくだ
    さい。
   ・電極パッドは、胸の右上(鎖骨の下)及び胸の左下側(脇の5~8センチメー
    トル下)の位置に貼り付けます。(貼り付ける位置は電極パッドに絵で表示さ
    れていますので、それに従って下さい。)

   ・電極パッドを貼り付ける際にも、できるだけ胸骨圧迫を継続してください。電
    極パッドは、肌との間にすき間を作らないよう、しっかりと貼り付けます。アク
    セサリーなどの上から貼らないように注意します。

 

 エ.心電図の解析

  ・電極パッドを貼り付けると“体に触れないでください”などと音声メッセージが
   流れ、自動的に心電図の解析が始まります。このとき、AED操作者は「み
   なさん、離れて!!」と注意を促し、誰も傷病者に触れていないことを確認し
   ます。
  ・AEDは、電気ショックを行う必要があると解析した場合には“ショックが必要で
   す”、必要がないと解析した場合には“ショックは不要です”などの音声メッ
   セージを流します。

  ・“ショックは不要です”といった音声メッセージの場合は、救助者は直ちに胸骨
   圧迫を再開します。

   

 

 オ.電気ショック

  ・AEDが、電気ショックが必要と解析した場合は、“ショックが必要です”といった
   音声メッセージとともに自動的にエネルギーの充電を始めます。充電には数
   秒かかります。

  ・充電が完了すると、“ショックボタンを押して下さい”といった音声メッセージと
   ともに、ショックボタンが点灯して、充電完了の連続音が出ます。

  ・AEDの操作者は、「ショックを行います。みなさん、離れて!!」と注意を促
   し、誰も傷病者に触れていないことを確認して、ショックボタンを押します。

   

 

   ◎ポイント

    ・AED操作者は、ショックボタンを押す際は、必ず自分も傷病者から離れ、誰
     も傷病者に触れていないことを確認します

    ・電気ショックによって、傷病者の腕や全身の筋肉がけいれんしたように一
     瞬ビクッと動きます。

 

 カ.心肺蘇生の再開

  ・電気ショックを行ったら、直ちに胸骨圧迫を再開します。

 

  ◎ポイント

   ・AEDを使用する場合でも、AEDによる心電図の解析や電気ショックなど、や
    むを得ない場合を除いて、胸骨圧迫の中断をできるだけ短くすることが大切
    です。

 

7.AEDの使用と心肺蘇生の継続

 ・心肺蘇生を再開して2分ほど経ったら、再び、AEDが自動的に心電図の解析を
  行います。音声メッセージに従って傷病者から手を離し、周りの人も傷病者か
  ら離れます以後は、心肺蘇生とAEDの使用の手順を、約2分間おきに救急隊員
  と交代するまで繰り返します。

 

 ■心肺蘇生を中止してもよい場合

  ・医師または救急隊が到着し、絶え間ない胸骨圧迫を交代することができると
   き

  ・救助者自身の安全の確保が困難になったとき【疲労や危険が迫るなど】

  ・傷病者が普段どおりの呼吸をし始める、あるいは目を開ける、体を動かすな
   ど見られる場合は「反応がある」とみなし中止します。

お問い合わせ

橋本市消防本部
〒648-0072
和歌山県橋本市東家六丁目2番1号
電話:0736-33-0119 ファクス:0736-33-0630
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