心停止の予防

更新日:2022年07月21日

心停止の予防 ~突然死を防ぐために~

 突然、心臓や呼吸が止まってしまった人を救うためには、そばに居合わせた人(バイスタンダー)の応急手当が非常に重要です。このような事態は、前触れ(胸の痛み、激しい頭痛等)がみられることも少なくないため、この前触れを見逃さず救急車を呼ぶことができれば、救命率が大きく上昇します。

 

子どもの心停止予防

子どもの突然死の主な原因は外傷、溺水(できすい)、窒息などの事故ですが、その多くは日常生活の中で十分に注意することで予防できるものです。

 心臓や呼吸が止まってしまった場合の応急手当も大切ですが、日常生活の突然死予防も重要です。

例えば、

 ・チャイルドシートの着用、子ども用ヘルメットの着用

 ・子どもだけでの水遊び禁止

 ・幼児の手の届くところに、口に入る大きさのものを置かないなどが
  挙げられます。

 

 また、心臓が原因で突然死した家族、親戚がいる方は、専門医を受診しておくことも大切です。乳幼児の突然死の原因として知られている乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome 通称「シッズ」)は、家族の喫煙やうつぶせ寝を避けることでリスクを下げることができるといわれています。

 

成人の心停止予防

成人の突然死の主な原因は、生活習慣病といわれる急性心筋梗塞や脳卒中です。また、お風呂場での事故(溺水)も注意が必要です。

 成人の突然死の予防では、生活習慣病を予防するため、日頃の生活を見直すことが重要です。また、急性心筋梗塞や脳卒中になってしまった場合、その初期症状に気づき、少しでも早く救急車を呼び、病院に行って治療を始めることも重要です。

 責任感が強い方は、救急車を遠慮する傾向にあります。家族や友人、周囲に居合わせた方が初期症状に気づいた場合、傷病者を強く説得し、ためらわずに119番通報してください。救急車が来るまでは、容体が変わらないか注意して見守り、万が一、「普段どおりの呼吸」がなくなったら、直ちに心肺蘇生を開始して下さい。

 

急性心筋梗塞

 急性心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る血管(冠(かん)動脈(どうみゃく))が詰まることによって生じます。症状として、「胸の真ん中に突然生じて持続する強い痛み」「胸が締め付けられるような重苦しさ・圧迫感」「胸が焼け付くような感じ」などがあります。また、人によっては、肩、腕やあごにかけて不快感を訴えることもあります。重症の場合は痛みだけでなく、息苦しさ、冷や汗、吐き気を訴えることもあります。症状の強さにも個人差があり、お年寄、女性、糖尿病の人では自覚症状が乏しく、わかりにくいことも少なくありません。これらの症状が現れた場合、早期に病院で治療する必要があります。

 

脳卒中

 脳卒中は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、血管が破けて出血する「脳出血」などの総称です。脳の血管が詰まると、脳細胞に血液がいかず、神経細胞が死んでしまいます。結果、体の片側に力が入らなくなったり、しびれを感じたり、呂律が回らなくなったり、ものが見えにくくなったりします。最悪の場合、目が覚めず、呼吸が止まって亡くなっていまいます。

 また、脳の血管が破けると、脳の内部に血が溜まり、脳を圧迫するため、その部位の神経細胞が死んだり、ときには圧迫が脳全体に及んで危険な状態になります。これを「脳内出血」と呼び、脳梗塞と同じような症状が出現します。

 さらに、脳の血管が破けて脳の表面に出血する病気を「クモ膜下出血」といい、「バットで殴られた様な痛み」「生まれて初めて経験する痛み」と表現される強い頭痛におそわれます。重症のクモ膜下出血では、意識を失い、しばらくして意識が戻ってから頭痛を訴えることもあります。クモ膜下出血は、繰り返して出血することが多く、そのたびに症状が悪化して命の危険が増していきます。

 

ヒートショック

 ヒートショックは、急激な温度変化(10度以上)により、血圧が急上昇・急下降し、体に大きな負担がかかる状態をいいます。特に冬場、暖房器具により暖められたお部屋から、寒いお風呂場(脱衣所)へと移動し、更に熱い湯船に浸かった場合に注意が必要です。ヒートショックが起こると、脳卒中や心筋梗塞、或いは失神等により湯船で溺水する可能性が高まります。一般的に65歳以上の男女、糖尿病や高血圧症の方、或いはメタボリック症候群の方はヒートショックになる可能性が高いと言われていますので、対策が必要です。

 

 

【対策例】

 

1.お風呂場(脱衣所)を暖房器具等で暖め、温度差を出来る限り少なくする。

2.湯温を上げすぎない。(一般的に湯温が41度以下の場合、10度以上の温度差にならないと言われています。)

3.1番風呂は避ける。(1番風呂はお風呂場が冷え切っているため、リスクが高まります。)

4.湯船の蓋をあけておく。(湯気がお風呂場をあたため、温度差が小さくなります。)

5.食後、飲酒後の入浴は避ける。(飲食後は血圧の変動が激しくなるため、食事前に入浴することも対策となります。)

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