定福寺庫裏

更新日:2017年01月20日

jyofukuji-kuri

定福寺庫裏(じょうふくじ くり)

定福寺は橋本市賢堂に所在する高野山真言宗の寺院です。高野山への古道である黒河道(くろこみち)が寺の東側をとおり、定福寺は黒河道に向かって石段の参道を開いています。寺の由緒については詳らかではありませんが、『伊都郡学文路村誌』には永禄年間(1558‐1570)にこの地に建立されたとの伝承を紹介しています。

定福寺庫裏は桁行13.1m、梁間10.5mの東西棟をもつ入母屋造(いりもやづくり)の建物で、四周に庇をまわし、屋根は桟瓦葺で、北側と西側に台所・洗面所等の増築が行われています。妻面は白漆喰(しっくい)で塗り込めらています。平面プランは棟通りで大きく南北に分けられ、南側を表向き(ハレの空間・公空間)とし、北側を裏向き(ケの空間・通常生活の空間)とし、東から1.5間を土間(現在は床を張る)、南面に玄関、東面に土間に通じる入口を2か所設けています。南側の表向きの空間は西から上座6畳、次の間6畳、4畳、土間とし、上座には武家や大寺院などの限られた建物に用いられる「押板床(おしいたどこ)」が設けられ、この建物の格式の高さが察せられます。北側の日常空間は西から6畳、6畳、南北に3畳間を並列、土間の順に仕切られています。

建築年代は明らかではありませんが、鬼瓦には宝暦11年(1761)の銘があって、これが庫裏の建築年代とみられています。明和2年(1765)に建てられた九度山町の萱野家住宅(九度山町指定文化財)と酷似しており、萱野家住宅が高野山の僧侶の里坊としたものであることから、定福寺庫裏も里坊として建てられた可能性があり、高野山の僧が避寒のために当地を訪れていたことが想像されます。

 

jyofukuji kuri minamigawa

定福寺庫裏(南側)

お問い合わせ

橋本市 橋本市教育委員会 生涯学習課
〒648-8585
和歌山県橋本市東家一丁目1番1号
電話:0736-33-3704 ファクス:0736-33-2657
問い合わせフォーム