○橋本市新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症を原因とする人権の侵害を防止する条例

令和3年3月30日

条例第15号

(目的)

第1条 この条例は、新型コロナウイルス感染症に係る誹謗ひぼう中傷等が行われていることを踏まえ、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法及びすべての人の人権が尊重される社会の実現を図ることを目的とする橋本市人権尊重の社会づくり条例(平成18年橋本市条例第5号)の理念にのっとり、感染症を原因とする人権の侵害を防止するために必要な事項を定めることにより、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症を原因とする人権の侵害を未然に防止し、もって感染症を原因とする人権の侵害のない社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 新型コロナウイルス感染症 令和2年1月に中華人民共和国から世界保健機関に対して人に伝染する能力を有することが新たに報告されたベータコロナウイルス属のコロナウイルスがその病原体である感染症をいう。

(2) 感染症 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第1項に規定する感染症をいう。

(3) 感染症に係る誹謗ひぼう中傷等 感染症に感染したこと若しくは感染したおそれがあること、施設、店舗等において感染症の感染が発生したこと若しくは発生したおそれがあること又は感染症の感染を防止するための対策を適切に講じていないことについて、これらの事実の有無にかかわらず、当該事実があるものとして誹謗ひぼう中傷をし、若しくは当該事実を殊更に摘示することにより不当に名誉を毀損し、又は当該事実に関連して本人(当該本人が未成年者又は成年被後見人等の場合にあってはその法定代理人、法人その他の団体の場合にあってはその代表者)の同意を得ることなく公表されていない情報を不当に公表する行為その他感染症に関して差別的な取扱いをする行為をいう。

(4) 事業者 市内で事業活動を行う個人、法人及びその他の団体をいう。

(基本理念)

第3条 感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくし、人権を擁護するための取組は、人権侵害を決して許すことなく、市民すべての基本的人権が尊重され、安心して暮らせるまちづくりを目指し、国、県、市、市民、事業者、関係機関等が相互に協力しながら、これを推進するものとする。

(感染症に係る誹謗ひぼう中傷等の禁止)

第4条 何人も、全ての者に対し、インターネット等を通じて、公衆による閲覧、複写その他の利用をすることが可能な情報を提供し、若しくはその情報を拡散すること又はその他の行為により、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等を行ってはならない。

(市の責務)

第5条 市は、第1条の目的を達成するため、国、県、市民、事業者、関係機関等との連携を図りながら、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすことに関し必要な施策を講じるものとする。

2 市は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすことに関して、市民、事業者、関係機関等の取組に必要な情報の提供及び助言その他の支援を行うものとする。

(市民の役割)

第6条 市民は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすために必要な役割を果たすよう努めるものとする。

2 市民は、市が実施する感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすための施策に協力するものとする。

(事業者の役割)

第7条 事業者は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすために、従業員の人権意識の高揚その他必要な取組を行うよう努めるものとする。

2 事業者は、市が実施する感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすための施策に協力するものとする。

(感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすための取組)

第8条 市は、第4条の規定に違反して感染症に係る誹謗ひぼう中傷等を行った市民若しくは事業者又は市内において感染症に係る誹謗ひぼう中傷等を行った者に対して、正しい理解が得られ、かつ、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等を行わないよう指導及び助言をするものとする。

2 市は、前項の規定により必要な指導及び助言を行っても、これに従わない場合には、前項の感染症に係る誹謗ひぼう中傷等を行った者に対し、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等を行わないよう勧告するものとする。

3 市は、インターネット等において感染症に係る誹謗ひぼう中傷等の書き込み等を監視し、市に関連する感染症に係る誹謗ひぼう中傷等と認められる書き込み等を発見した場合には、その書き込み等が行われた場所に関係なく、特定電気通信役務提供者(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成13年法律第137号)第2条第3号に規定する特定電気通信役務提供者をいう。)又はその書き込み等を削除する権限のある者に対し、削除の要請を行うものとする。

(教育及び啓発)

第9条 市は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすため、教育活動及び啓発活動を通じて正しい知識の普及及び情報の発信をするものとする。

(相談体制の充実)

第10条 市は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等に関する相談に応じるとともに、相談者の心情に寄り添った対応に努めるものとする。

2 市は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等に関する相談に的確に応じるため、相談に応じる者の資質の向上を図る等必要な施策を講じるとともに、相談体制の充実を図るものとする。

(感染症に係る誹謗ひぼう中傷等の実態把握)

第11条 市は、感染症に係る誹謗ひぼう中傷等をなくすことに関する施策の実施に資するため、必要に応じて人権に関する市民の意識調査を行う。

2 市は、インターネット等における感染症に係る誹謗ひぼう中傷等の書き込み等を監視することにより、市に関連する感染症に係る誹謗ひぼう中傷等の実態把握に努めるものとする。

(委任)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

橋本市新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症を原因とする人権の侵害を防止する条例

令和3年3月30日 条例第15号

(令和3年3月30日施行)