○橋本市教育委員会及び橋本市公立小中学校における教育データの利活用に関する規程

令和7年8月1日

教育委員会訓令第3号

(目的)

第1条 本規程は、教育データの適正な取扱いを確保し、もって児童生徒の最善の利益を保障しつつ、教育データの安全かつ効果的な利活用を促進するため、橋本市教育委員会(以下「教育委員会」という。)並びに橋本市立小学校及び中学校(以下「学校」という。)における教育データの収集、利用、保存、提供及び廃棄に関して必要な事項を定める。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 教育データ 教育委員会及び学校が保有する校務系データ及び学習系データをいう。

(2) 校務系データ 学校が保有する情報資産のうち、児童生徒の成績、出欠席及びその理由、健康診断結果、指導要録、教職員の個人情報など、学校・学級の管理運営、学習指導、生徒指導、生活指導等に活用することを想定しており、かつ、当該情報に児童生徒がアクセスすることが想定されていない情報をいう。

(3) 学習系データ 児童生徒の学習成果物、作品、学習履歴など、学校が保有する情報資産のうち、学校における教育活動において活用することを想定しており、かつ、当該情報に教職員及び児童生徒がアクセスすることが想定されている情報をいう。

(4) 教育情報セキュリティ責任者 教育委員会における教育情報セキュリティ対策に関して統括的な権限及び責任を有する者をいう。

(データ利用目的)

第3条 教育委員会及び学校は、教育データを次の目的で利用する。

(1) 個々の児童生徒の学習進捗を把握し、児童生徒の学力や個性に応じた学習及び指導を実現させるため。

(2) 保護者との連携強化及び児童生徒を取り巻く教育環境を充実させるため。

(第三者提供)

第4条 教育委員会及び学校は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、教育データを第三者に提供しない。

(1) あらかじめ本人の同意を得ている場合

(2) 法令に基づく場合

2 前項の規定により教育データを第三者に提供する場合は、提供する情報の範囲を最小限にとどめるとともに、提供先における利用目的を明確にするものとする。

(事故対応)

第5条 教育データの漏洩、不正利用等の事故が発生した場合、次の対応を行う。

(1) 学校は、速やかに事故の内容、発生日時、影響範囲等を教育情報セキュリティ責任者に報告し、その指示に従うこと。

(2) 教育情報セキュリティ責任者は、事故の原因を特定するとともに、二次被害の防止及び復旧のための措置を講じる。この際、必要に応じて、専門機関や関係機関と連携し、事故の拡大防止と迅速な解決を図るものとする。

(3) 教育委員会及び学校は、必要に応じて、個人情報保護法に基づき、本人への通知、公表等の適切な措置を講じる。通知及び公表の要否及び内容は、関係法令及びガイドラインに基づき判断するものとする。

(4) 教育委員会及び学校は、事故の再発防止策を策定し、職員への再教育を行うとともに、システム等の改善措置を講じる。再発防止策の実施状況は定期的に評価し、継続的な改善に努めるものとする。

(委託先の選定)

第6条 教育データの管理や処理の委託及びオンラインツールを利用する場合、教育委員会及び学校は次の選定条件を満たす業者を選定するものとする。

(1) 個人情報の適切な管理を行う能力を有すると判断されること。

(2) クラウドサービスを利用する場合には、信頼できるクラウドサービス提供事業者のシステムを利用するとともに、外部からの不正アクセスを防止する等の対策がとられていること。

(3) 日本国内の裁判所を専属的合意管轄裁判所とし、日本国内法を準拠法とすることが確認できること。

(4) 特別な理由により前号の条件を満たせない場合は、教育委員会の事前承認を得た上で、代替となる適切な安全管理措置及び紛争解決のための措置が講じられていることを確認すること。

(委託契約の内容)

第7条 教育委員会及び学校は、教育データの取り扱いを外部業者に委託する場合、個人情報保護法第25条に基づき、個人情報の保護に関して以下の事項を含む必要な事項を契約書に明記するものとする。

(1) 委託する個人データの種類及び範囲

(2) 委託業務の内容及び期間

(3) 個人データの利用目的

(4) 個人データの安全管理に関する措置

(5) 再委託を行う場合の条件及び責任

(6) 従業者に対する監督

(7) 契約内容の遵守状況に関する報告義務及び委託元による監査の実施

(8) 個人データに関する事故発生時の報告義務及び責任分担

(9) 契約解除時の個人データの返還、消去等

(データ保存期間)

第8条 教育委員会及び学校は、収集した教育データを利用目的の達成に必要な期間のみ保存し、目的達成後は速やかに廃棄する。ただし、法令に基づく保存義務がある場合は、その期間を保存期間とする。

(データの廃棄)

第9条 教育委員会及び学校は、教育データが不要となった場合、これを適切に廃棄する。

(規程の周知)

第10条 教育委員会及び学校は、本規程を入学時及び必要に応じて配布する文書、又は教育委員会の公式ウェブサイト等を通じて周知する。

(教育委員会の責務)

第11条 教育委員会は、次の各号に規定する内容に取り組まなければならない。

(1) 教育データの収集、保存、利用に関する方針及び規程の策定。

(2) 教育データの安全管理体制の整備、職員研修の実施及び学校に対する指導監督。

(3) 学校に対する教育データの取り扱いに関する技術的・運用的な支援の提供。

(4) 外部委託先の選定、契約、監督。

(5) 学校との連携体制の構築及び支援。

(学校の責務)

第12条 学校は、教育データの適切な収集及び管理を行い、教育委員会の方針に基づきデータを安全かつ効果的に活用しなければならない。

この規程は令和8年4月1日から施行する。

橋本市教育委員会及び橋本市公立小中学校における教育データの利活用に関する規程

令和7年8月1日 教育委員会訓令第3号

(令和8年4月1日施行)