○橋本市文書管理規則
令和6年2月6日
規則第4号
目次
第1章 総則(第1条―第12条)
第2章 文書の収受(第13条―第18条)
第3章 文書の処理(第19条―第30条)
第4章 文書の施行(第31条―第37条)
第5章 文書の保存等(第38条―第54条)
第6章 雑則(第55条)
附則
第1章 総則
(通則)
第1条 この規則は、別に定めがある場合を除くほか、本市における文書の管理に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 文書 職員が職務上作成し、又は取得した紙文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)をいう。
(2) 公文書 橋本市情報公開条例(平成18年橋本市条例第11号)第2条第2号で定める公文書をいう。
(3) 紙文書 文字又はこれに代わるべき符号を用い、紙の上に永続すべき状態において職務に係る事案を記載したものをいう。
(4) 電子文書 電磁的記録のうち、文書管理システムによる情報処理の用に供するため当該システムに記録されたものをいう。
(5) 文書管理システム 電子計算機を利用して文書の収受、起案、決裁、保存、廃棄等の事務の処理及び公文書に係る情報の総合的な管理を行う情報処理システムで総務課長が管理するものをいう。
(6) 情報セキュリティポリシー 本市が定める情報セキュリティに係る基本方針及び対策基準をいう。
(7) 部 橋本市事務分掌条例(平成18年橋本市条例第8号)第1条第1項に規定する部及び消防本部をいう。
(8) 課 橋本市事務分掌条例施行規則(平成18年橋本市規則第7号)第2条第1項に規定する室、課及び所、危機管理室、福祉事務所、出納室並びに橋本市消防本部の組織に関する規則(平成18年橋本市規則第176号)第2条に定める課、室及び消防署をいう。
(9) 施設 課に属する施設をいう。
(10) 所管課 各文書に係る事案を担当する課をいう。
(11) 収受 文書及び物品に係る受領、選別、開封、記録等の事案の処理の開始までに要する一連の手続をいう。
(12) 供覧 文書を上司又は関係部課の閲覧に供することをいう。
(13) 起案 事案の意思決定のための原案を作成することをいう。
(14) 決裁 市長若しくは委任を受けた者又は専決者が、その権限に属する事務について、その最終意思を決定することをいう。
(15) 合議 主管の系列に属する者以外の者がその職位との関連において、起案文書の内容及び形式についての意見の調整を図り、合意を得ることをいう。
(16) 決裁関与者 事案の決裁に関与する者をいう。ただし、決裁者を除く。
(17) 起案文書 事案の意思決定のための原案を記載した電子文書又は紙文書をいう。
(18) 施行文書 決裁された事案の施行に用いる紙文書又は電子文書をいう。
(19) 保管 紙文書を所管課の執務室内の一定の場所に収納しておくことをいう。
(20) 保存 紙文書を書庫に収納しておくこと、又は電子文書を文書管理システムに記録しておくことをいう。
(文書の取扱いの基本)
第3条 職員は、本市の諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務を有することを認識し、事務の適正かつ能率的な処理に資するよう、文書の作成、整理、保存等を適切に行わなければならない。
2 職員は、本市における意思決定に至る過程(経緯も含む。)並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない。
3 文書は、常に平易かつ明確に表現することを基本として作成しなければならない。
4 文書は、所管課長の許可なく庁外に持ち出し、部外者に示し、又は写させてはならない。
(押印及び署名の取扱い)
第4条 この規則における押印の印影は、朱色とする。ただし、第16条に規定する収受印を除く。
2 この規則における署名の取扱いは、次の各号に定めるところによる。
(1) 署名は、氏を書くものとし、名を省略することができる。
(2) 氏名に漢字を用いている者は、漢字で書くものとする。
(3) 署名は、文字を崩さず、判読可能な大きさではっきりと書くものとする。
(文書管理の電子化)
第5条 公文書の管理は、文書管理システムによって行うものとする。ただし、次の各号に掲げる場合については、この限りでない。
(1) 財務会計システム(財務会計に関する事務処理を行うための情報処理システムをいう。以下同じ。)により公文書を管理する場合
(2) 橋本市電子契約規則(令和5年橋本市規則第29号)第13条の規定により電子契約サービス上で公文書を管理する場合
(3) 前2号に類する方法により公文書を管理する場合
(4) その他文書管理システムにより管理することが適当でないと総務課長が認める場合
2 職員は、文書管理システム及び電磁的記録を取り扱うときは、情報セキュリティポリシーを遵守しなければならない。
3 文書管理システムに映像データ及び音声データを記録してはならない。
4 この規則において文書管理システムによることとされている処理について、所管課が文書管理システムを容易に利用できる環境にないとき又は財務会計システムその他の情報処理システムにより処理すべきときは、この規則に定めのある場合を除くほか、総務課長が別に指示するところによる。
(紙文書の電子化)
第6条 紙文書は、電子化(紙文書をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含む。)により読み取り、電磁的記録を作成することをいう。以下同じ。)を行った上で、文書管理システムに記録するものとする。ただし、次の各号に掲げる場合については、この限りでない。
(1) 紙文書の量、形状、内容等から電子化することが適当でないと所管課長が判断する場合
(3) その他総務課長が電子化することが適当でないと認める場合
2 前項の規定により電子化を行った場合は、当該電子化により作成された電磁的記録(以下「電子化文書」という。)を正本として管理する。ただし、法令等の定めにより紙による保管又は保存が義務付けられている文書、紙による契約書その他紙を正本として管理する必要があると認められる文書は、この限りでない。
(総務課長の職務)
第7条 総務課長は、本市における文書の管理が適正かつ能率的に行われるように指導し、その改善に努めなければならない。
2 総務課長は、各課の文書の処理及び管理の状況について、必要があると認めるときは、調査を行い、その結果に基づいて所管課長に対し、必要な措置を求めることができる。
3 総務課長は、文書管理システムの統括責任者として、文書管理システムの安定的な運用、適正な管理及び安全確保に努めなければならない。
(課長の職務)
第8条 課における文書の処理及び管理は、課長が中心となる。
2 課長は、文書がこの規則の定めに従って処理されるよう所属職員を指揮監督するとともに、常に所管する公文書を整理し、利用できる状態を維持しなければならない。
3 市長及び副市長の文書は秘書広報課長が、会計管理者の文書は出納室長が、危機管理監の文書は危機管理室長が、部長の文書はその部の総括課長が所管する。
(文書主任)
第9条 課に文書主任を置く。ただし、施設にあっては、課の文書主任とは別に文書主任を置くものとする。
(1) 課 課長補佐のうち課長の代決権の第1順位者(課長補佐を置かない課にあっては、課長)
(2) 施設 施設の長(長を置かない施設にあっては、当該施設を所管する課長)
3 文書主任は、課長の命を受け、次の事務に従事する。
(1) 文書及び物品の収受、配付及び発送の促進に関すること。
(2) 文書事務の審査、指導及び改善に関すること。
(3) 文書の整理、保管、保存、利用及び廃棄に関すること。
(4) 文書管理システムの利用に係る調整等に関すること。
(5) 前各号に掲げるもののほか、文書事務に関し必要なこと。
(文書副主任)
第10条 課に文書副主任を置く。
2 文書副主任は、課の課長補佐(文書主任を除く。)及び係長とする。
3 前項の規定により難い場合は、所属職員のうちから課長(長を置く施設にあっては、施設の長)が指名する者をもって充てる。
4 文書副主任は、文書主任の職務を補佐するとともに、文書事務に関し、下位の職員の指導に努めるものとする。
(文書の種類)
第11条 文書は、例規文書、一般文書、指令文書及び達文書に区分する。
2 例規文書は、条例、規則、訓令、告示及び公告をいう。
3 一般文書は、例規文書、指令文書及び達文書以外の文書をいう。
4 指令文書は、特定の個人又は団体からの申請等に対して、法令上の権限に基づき、許可、認可、交付決定、免許等の行政処分その他の行為をする場合に発する文書をいう。
5 達文書は、行政庁がその権限に基づき特定の個人又は団体に対して一方的に指示命令する場合に発する文書をいう。
(1) 例規文書は、「橋本市条例第○号」のように、市名を冠し、次に例規の種別及び番号を付す。ただし、公告は、文書記号番号を省略し、単に「公告」と付す。
(2) 一般文書は、「橋総第○号」のように、市名の頭文字「橋」を冠し、次に所管課又は施設を表す記号として総務課長が定める文字及び番号を付す。ただし、次に掲げる文書を除く。
ア 辞令
イ 賞状
ウ パンフレット、ポスター、刊行物等
エ その他文書記号番号を付すことが適当でないと総務課長が認める文書
(4) 指令文書は、「橋本市指令総第○号」のように、市名を冠し、次に当該種別、所管課又は施設を表す記号として総務課長が定める文字及び番号を付す。
(5) 達文書は、「橋本市達総第○号」のように、市名を冠し、次に当該種別、所管課又は施設を表す記号として総務課長が定める文字及び番号を付す。
2 1年度において同一の申請、証明願等を相当数収受する文書にあっては、集合文書として処理できるものとし、その場合は「橋総第○―△号」のように枝番号を付すものとする。
3 第1項の規定にかかわらず、市の機関又はその内部組織がその所掌事務について市の他の機関若しくは内部組織に対し発し、又は市の他の機関若しくは内部組織から収受する文書(以下「庁内文書」という。)については、文書記号番号を省略し、「事務連絡」として処理することができる。
(1) 例規文書(公告を除く。) 公示令達番号簿(様式第1号)
(2) 一般文書 文書管理システム。ただし、文書管理システムにより難い場合は、文書番号管理簿(一般文書用)(様式第2号その1)による。
(3) 指令文書 文書番号管理簿(指令文書用)(様式第2号その2)
(4) 達文書 文書番号管理簿(達文書用)(様式第2号その3)
(5) 集合文書 文書管理システム、集合文書番号管理簿(様式第2号その4)又は総務課長の承認を受けた別の管理簿
5 文書番号は、毎年4月1日を起番として付するものとする。ただし、例規文書(公告を除く。)にあっては、毎年1月1日を起番として付するものとする。
6 前項の規定にかかわらず、元号(元号法(昭和54年法律第43号)第1項の規定に基づき定められる元号をいう。)が改められた場合における例規文書(公告を除く。)の文書番号は、当該改められた日を起番として付するものとする。
7 文書番号は、収受した文書及び発議文書(収受文書により起案する場合に限る。)は、その収受した順序に従って番号を付し、発議文書(収受文書により起案する場合を除く。)の場合はその決裁した順序に従って番号を付するものとする。
8 同一事案に係る文書は、当該事案が完結するまで同一番号を用いなければならない。この場合において、当該事案が年度を超えてなお継続する場合は、当該番号を付した日の属する和暦年度を表す数字を文書記号に冠しなければならない。
第2章 文書の収受
(電磁的記録の受領)
第13条 電磁的記録は、情報セキュリティポリシーを満たした電気通信回線を用いた方法又はUSBメモリ等の取り出し可能な記録媒体により受領するものとする。
(紙文書の受領)
第14条 本庁(地方自治法(昭和22年法律第67号)第4条第1項の規定による本市の事務所をいう。以下同じ。)に送達された紙文書は、総務課長が受領し、次に定めるところにより処理するものとする。ただし、各課の所掌に係る文書で直接各課に送達されたものは、当該課で受領することができる。
(1) 記録系特殊取扱の郵便物は、総務課長が定める様式に記録の上、受領者の署名又は印を徴して、所管課に配付すること。
(2) 前号に掲げるもの以外の紙文書は、閉封のまま総務課の文書棚に配付すること。ただし、開封しなければ所管課が判明しないものは、この限りでない。
3 勤務時間外に本庁に送達された紙文書の処理については、橋本市役所の当直に関する規程(平成18年橋本市訓令第29号)の定めるところによる。
4 総務課長は、郵便料金が未納又は不足の紙文書が送達されたときは、公務に関すると認めるものに限り、郵便切手又は郵便料金計器による印影を表示した証紙をもって必要な料金を支払い、受領することができる。
(課における文書の取扱い)
第15条 課長は、課に文書が到達したときは、事務担当者に当該文書の件名、収受日等の必要な事項を文書管理システムに記録させるとともに、処理方針を指示するものとする。
(1) 親展文書 直ちに名宛人に回付する。この場合において、当該親展文書が公文書であった場合は、前項の規定により処理する。
(2) 他課の所掌に係る文書 直ちに総務課に返付し、又は所管課へ送付する。
(3) 2課以上に関係のある文書 関係課に連絡し、当該文書の処理について調整する。
(4) 訴訟、不服申立て等その他収受の日時が権利の得喪又は効力の得失に関係する文書 収受日時及び収受した者を記録する。
(5) 文書記号番号を付すべき文書 第12条の規定により処理する。
(1) 第6条第1項の規定により電子化する紙文書
(2) パンフレット、ポスター、刊行物等及びその送付書
(3) その他簡易な紙文書
2 前項の規定により収受した物品は、課に到達した文書に準じて処理するものとする。
(電話等による照会等の処理)
第18条 電話又は口頭による照会、回答、報告等で重要と認められるものは、その要領を整理した文書を作成し、課に到達した文書に準じて処理するものとする。
第3章 文書の処理
(事案の処理)
第19条 事務担当者は、文書を収受したときは、課長の処理方針に従い、回答の要否、処理期日、他課への合議又は供覧の要否等を適切に判断し、速やかにこれを処理しなければならない。
2 供覧者は、文書の供覧をしようとするときは、必要に応じ、当該文書の要旨、課題、必読すべき箇所等を記載するものとする。また、簡易なものについては、伺い文を記載することにより併せて起案を行うことができるものとする。
(起案の方法)
第21条 文書の起案は、起案者が、文書管理システムに事案の内容その他所要事項を入力して、起案した旨を電磁的に表示し、及び記録することにより起案文書を作成する方法(以下「電子起案方式」という。)で行うものとする。この場合において、施行文案その他事案に関係する資料が第6条第1項ただし書の規定により電子化しなかった紙文書であるときは、当該紙文書(以下「紙添付資料」という。)に当該起案文書と関連付ける番号を付した表紙を付して回付できるものとする。
(1) 決裁関与者又は決裁者のいずれかが文書管理システムを容易に利用できる環境にないとき。
(2) その他電子起案方式によることが困難又は不適当な事情があるとき。
3 書面起案方式により処理する紙文書のうち、特に軽易なものにあっては、当該紙文書の余白を利用して起案を行うことができる。この場合においては、決裁欄を設けた上、伺い文を書かなければならない。
4 他の法令等により起案に係る別の様式が定められているものは、前3項の規定にかかわらず、当該様式を用いた書面起案方式によるものとする。ただし、当該様式の根拠となる法令等に書面による処理の義務付けがない場合は、文書管理システムに当該様式の所要事項を入力し、又は当該様式を添付することにより、電子起案方式による起案をすることができる。
(起案文書の作成)
第22条 起案文書には、次に掲げる基準に従い、平易かつ明確に記録し、又は記載するものとする。
(1) 常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)
(2) 公用文における漢字使用等について(平成22年内閣訓令第1号)
(3) 法令における漢字使用等について(平成22年11月30日内閣法制局長官決定)
(4) 現代仮名遣い(昭和61年内閣告示第1号)
(5) 送り仮名の付け方(昭和48年内閣告示第2号)
(6) 外来語の表記(平成3年内閣告示第2号)
(7) 公用文作成の考え方(令和4年1月11日内閣文第1号)
2 起案文書には、内容のよく分かる標題を付け、必要に応じて、起案の理由、説明、経過及び根拠となる関係法規等を記載するとともに、施行文案その他事案に関係する資料を添えるものとする。ただし、軽易なものについては、その一部を省略することができる。
3 2課以上に関係するときは、関係の最も深い課で起案し、関係する課に合議すること。
4 経費を伴う事案は、予算との関係を明らかにすること。
5 起案文書に施行文案を付するときは、電子起案方式にあっては、当該施行文案を記録した電磁的記録のファイル名の先頭に「(案)」と記載し、書面起案方式にあっては、当該施行文案の上側の余白の中央に「(案)」と記載するものとする。
6 起案文書に添付する資料は、必要かつ最小限の範囲に限るものとする。
(決裁の手続)
第23条 起案文書の回付は、当該関係職員から順次上司の承認を経て、決裁者の決裁を受ける流れ方式とする。ただし、電子起案方式による場合は、決裁関与の内容、職位等を勘案して、一斉に回付する方法で行うことができる。
2 回付に係る意思表示は、電子起案方式にあっては、文書管理システムによる所定の処理を行うことにより、書面起案方式にあっては、起案用紙の所定欄に押印し、又は署名することにより行うものとする。
3 起案文書は、必要な決裁関与その他の事案の決裁に対する関与の機会が失われないよう、必要な時間的余裕をもって回付するものとする。
(合議)
第24条 起案文書で他の部(市の他の機関を含む。以下この条において同じ。)又は課に関係のあるものは、同一部内にあっては所管課長、他の部にわたるものにあっては所管部長(所管課長が専決者である場合は所管課長)の承認を経て、当該関係部課に合議しなければならない。
2 前項の場合(電子起案方式に限る。)において、専決者を経て他の部又は課に合議をしたときは、当該部又は課の承認後、再度専決者に回付し、その決裁を受けなければならない。
3 合議は、関係の深い部課から順次行うものとする。ただし、電子起案方式による場合は、前条第1項ただし書の規定を準用する。
4 合議を受けた事案について、異議がある者は起案課と協議し、なお意見が一致しないときは、起案者は双方の意見を具して上司の承認又は指示を受けなければならない。
5 合議は、必要かつ最小限の範囲に限るものとし、関係部課長と事前に協議を行うことによって合議を省略することができる。この場合においては、起案文書にその旨を付記しなければならない。
(専決規程)
第25条 この章に定めるもののほか、事案の決裁について必要な事項は、橋本市事務専決規程(平成18年橋本市訓令第8号。以下「専決規程」という。)の定めるところによる。
2 電子起案方式により代決処理がなされた場合は、決裁者は文書管理システムにより確認を行うものとする。
3 書面起案方式により代決処理がなされた場合であって、代決した者が必要と認めるときは、起案者は当該起案用紙の欄外に後閲欄を設け、決裁者の後閲に供さなければならない。
(不在)
第27条 決裁関与者が不在であるときは、当該決裁関与者の次に決裁又は承認をすべき者に回付することができる。この場合において、書面起案方式にあっては、当該決裁関与者の処理欄に「不在」と記入するものとする。
2 前項の規定による回付をしたときは、不在であった決裁関与者の登庁後、速やかに当該決裁関与者に回付するものとする。ただし、書面起案方式にあっては、重要な事案に限る。
(回付中の加除訂正等)
第28条 回付中の起案文書の加除訂正は、文書管理システムによる方法又は加除訂正をした箇所に押印し、若しくは署名する方法により行う。ただし、重要な箇所の加除訂正を行う必要が生じた場合は、当該起案文書を廃し、改めて起案文書を作成するものとする。
2 起案者は、回付中の起案文書を廃し、又は内容の変更を行うときは、その旨を決裁関与者に通知するものとする。この場合において、起案者は、必要に応じ、当該起案文書を廃し、又は変更した旨及びその理由を当該起案文書に記録するものとする。
(決裁後の処理)
第29条 起案者は、当該事案が電子起案方式により決裁されたときは、文書管理システムにより確認するものとする。
2 書面起案方式により決裁されたときは、起案者が当該起案文書に決裁年月日を記入するものとする。ただし、市長及び副市長が決裁した場合は、秘書広報課において、決裁年月日を記入するものとする。
(決裁後の施行の中止又は保留等)
第30条 決裁者による決裁の後、新たな事態の発生により当該決裁を完了した文書の施行を取りやめ、又は保留しなければならないときは、その旨を起案し、決裁を受けなればならない。
2 起案者は、前項の決裁を受けたときは、施行を取りやめ、又は保留した起案文書にその旨を記録するものとする。
3 決裁を完了した文書の加除訂正を要するときは、決裁者の承認を受けた上で、第28条の規定により加除訂正をするものとする。
第4章 文書の施行
(発信者名)
第31条 庁外に発信する文書(以下「庁外文書」という。)の発信者は、市長名を用いる。ただし、当該文書の性質又は内容により決裁者の職及び氏名又は市名若しくは部課名を用いることができる。
2 庁内文書の発信者は、その事案の軽重により市長名、副市長名、部長名又は課長名を用いる。
3 前2項の場合において、特に必要のあるときは、職名のみを用い、その氏名を省略することができる。
(事務担当者の表示)
第32条 前条の規定により発信する文書には、照会その他の便宜に資するため、必要に応じて当該文書の末尾にその事務担当者の所属、職名、氏名、電話番号等を記載するものとする。
(浄書及び照合)
第33条 起案者は、決裁された事案を施行する場合は、施行文書を浄書し、当該施行文書と当該事案に係る起案文書とを照合するものとする。
3 第1項の照合にあっては、その正確を期さなければならない。この場合において、当該施行文書が庁外文書であるときは、他の職員による再度の照合を受けなければならない。
(公印及び契印の押印)
第34条 施行文書(紙文書に限る。以下この条において同じ。)には、公印を押印しなければならない。ただし、次に掲げる文書は、公印の押印を省略することができる。
(1) 庁内文書(許可、認可等の処分に関する文書、懲戒に関する文書その他特に重要な文書を除く。)
(2) 国及び他の地方公共団体に発する文書で当該国及び他の地方公共団体が公印を押印しないで発することを認めたもの
(3) 案内状、礼状、あいさつ状等の儀礼上発する文書
(4) パンフレット、ポスター、刊行物等及びその送付書
(5) 公印が押印されている文書(任命書、申請書、証明書等)の送付書
(6) 庁外に発する通知、照会、依頼等の文書のうち権利又は義務の発生に関わりのない軽易なもの
(7) 様式において公印の省略を認めている文書
(8) 前各号に掲げるもののほか、総務課長において公印の押印を省略することができると認める文書
3 施行文書への契印の押印は、原則として不要とする。
4 契約書等とじ替えを禁ずる文書には、割印を押さなければならない。
5 前各項に規定するもののほか、公印の取扱いについては、橋本市公印規則(平成18年橋本市規則第13号)の定めるところによる。
(電子署名)
第35条 施行文書(電磁的記録に限る。以下この条において同じ。)には、電子署名を付与しなければならない。
3 施行文書に電子署名を付与するときは、別に定めがある場合を除くほか、当該電子署名を所管する課長の指示に従い処理するものとする。
(発送)
第36条 庁外へ発送する文書は、所管課が直接発送するものを除き、原則として総務課において発送するものとする。
2 紙文書の発送方法は、原則として料金計器別納による郵送とする。ただし、これにより難いときは、郵便切手若しくはレターパック又は料金後納の方法によることができる。
3 紙文書の発送は、橋本市の休日を定める条例(平成18年橋本市条例第2号)第1条第1項各号に掲げる日を除く日に行い、その発送時刻は、特に緊急を要する場合を除き、午後3時45分とする。
4 前項の規定により発送する紙文書は、午後3時までに総務課へ提出しなければならない。
5 第3項の発送時間以外の時間に緊急に紙文書の発送を要する場合は、総務課長の承認を得、郵便料金に相当する郵便切手の交付を受けて、所管課において発送するものとする。
(施行登録)
第37条 起案者は、電子起案方式による事案の施行が完了したときは、文書管理システムにその旨を登録するものとする。
2 書面起案方式によるときは、起案者が当該起案文書に施行年月日を記入するものとする。
第5章 文書の保存等
(処理中の文書の取扱い)
第38条 事務担当者は、処理中の文書を常に整理し、所在を明らかにしておかなければならない。
(文書の完結日)
第39条 文書の完結日は、次に定めるところによる。
(1) 帳簿類は、当該帳簿の閉鎖の日とし、加除式の帳簿類から除冊された帳簿類については、当該帳簿の除冊の日
(2) 出納に関する証拠書類は、当該出納のあった日
(3) 契約文書は、当該契約事項の履行が終わった日
(4) その他の文書は、当該文書の事案の施行が終わった日。この場合において、同一事案について作成又は処理された文書は、最終の事案の施行が終わった日
(分類の基準)
第40条 課長は、公文書の整理のために公文書に記録する事務の性質、内容等に応じた系統的な分類の基準を定めるものとする。
2 前項の分類の基準は、総務課長が文書管理システムによって管理するものとする。
3 課長は、第1項に規定する分類の基準を定めたとき又は変更するときは、当該分類の基準を文書管理システムに記録するよう総務課長に依頼するものとする。
4 総務課長は、同種の事務を取り扱う課が多数あるときは、全庁で共通して使用する分類の基準を定めることができる。
(文書ファイル)
第41条 課長は、能率的な事務事業の処理並びに公文書の適切な保管及び保存に資するよう、相互に密接な関連を有する公文書(同一の保存期間のものに限る。)を一の集合物(以下「文書ファイル」という。)にまとめて整理するものとする。
2 文書ファイルの設定は、課長が文書管理システムで行うものとする。
3 文書ファイルは、前条の分類の基準に紐づけるものとする。
4 文書ファイルは、会計年度ごと(編集が暦年による公文書にあっては、暦年ごと)に作成するものとする。
5 文書ファイルは、次の区分に応じて作成するものとする。
(1) 電子文書ファイル 電子文書を綴るための文書ファイルをいい、文書管理システム上に作成するものとする。
(2) 紙文書ファイル 紙文書を綴るための文書ファイルをいい、チューブファイル等を用いて作成し、文書管理システムから出力した表紙又はそれに準ずる表紙を付すものとする。
(保存期間の区分)
第42条 公文書の保存期間は、永年、30年、10年、5年、3年及び1年の6区分とする。ただし、法令等により別に保存期間の定めがあるものにあっては、当該法令等の定めるところによる。
(保存期間の決定)
第43条 公文書の保存期間は、別表に掲げる保存期間決定基準表に基づき、当該公文書の効力、重要度、利用度及び価値を考慮して課長が決定する。
2 台帳、名簿など常時使用する文書又は長期に渡り使用する文書でその完結時期が未確定なもの(以下「常用文書」という。)は、前条に規定する保存期間の区分を適用せず、現年度の公文書と同様の取扱いをするものとする。
3 課長は、常用文書の完結時期が確定するなど前条の保存期間の区分を適用できるようになったときは、速やかに当該区分を適用するものとする。この場合における完結日は、当該適用の日とする。
(保存期間の管理)
第44条 公文書の保存期間の管理は、文書管理システムにおいて行う。
2 公文書の保存期間は、編集が暦年による公文書にあっては当該文書の完結日の属する年の翌年の4月1日から、会計年度による公文書にあっては当該文書の完結日の属する年度の翌年度の4月1日からそれぞれ起算する。
(電子文書等の整理及び保存)
第45条 電子文書は、電子文書ファイルごとに整理し、及び保存するものとする。
2 電磁的記録(電子文書を除く。)は、情報セキュリティポリシーに基づき管理するものとする。
3 電磁的記録(電子文書を含む。)は、常に滅失、改ざん、漏えい等の予防の措置を講じなければならない。
(紙文書の整理及び保管)
第46条 紙文書は、紙文書ファイルごとに整理し、執務室に1年間保管しておくものとする。なお、必要に応じて当該年数を延長することができる。
2 次の各号のいずれかに該当する紙文書を綴る紙文書ファイルの背表紙は、関連する電子文書ファイルの情報に基づき作成するものとする。
(1) 電子起案方式による起案の紙添付資料
(2) 電子化文書の正本(紙文書が正本である場合に限る。)
(3) 電子化文書の副本
4 紙文書ファイルは、退庁時までに所定の場所に収納し、事務担当者の手元に置いてはならない。
5 紙文書ファイルの保管に当たっては、常に紛失、火災、盗難等の予防の措置を講ずるとともに、重要な紙文書は、非常災害に際し、いつでも持ち出せるように、あらかじめ準備しておくものとする。
6 執務室における紙文書ファイルの保管については、書棚等適切な用具に収納して行うものとする。
(書庫における保存)
第47条 書庫は、総務課長が管理する。ただし、特定の課が所管する書庫にあっては、当該課長が管理するものとする。
2 前項の書庫を管理する課長は、各課の所管する紙文書ファイルの量を考慮して、書庫内の書棚を各課に割り当てるものとする。
3 前項の割当を受けた課長は、執務室に保管している紙文書ファイルを書庫で保存できるものとする。
4 書庫に紙文書ファイルを保存する課長は、常に書庫内を整理整頓し、紙文書ファイルの配架状況を把握しておかなければならない。
(書庫の管理及び利用)
第48条 書庫は、常時施錠しておくものとする。
2 書庫を管理する課長は、当該書庫に紙文書ファイルを保存する課長に対し、書庫の管理のために必要な指示を出すことができる。
3 書庫を利用しようとする職員は、当該書庫を管理する課長に申し出るものとし、その利用の際は、当該課長の指示に従わなければならない。
(公文書の一覧の管理)
第49条 総務課長は、文書管理システムを用いて公文書の一覧を管理するものとする。
2 総務課長は、前項の一覧の作成にあたり必要な事項を課長に指示することができる。
(閲覧又は貸出し)
第50条 課長は、その所管する公文書を閲覧等に供することができるよう常に整理し、保管し、又は保存しなければならない。
2 他の所管課に属する公文書の貸出しを受け、又は閲覧しようとする職員は、当該公文書の所管課長に申し出て、その承認を得なければならない。
(文書の廃棄)
第51条 課長は、保存期間が経過した公文書について、毎年精査の上、廃棄し、総務課長に報告しなければならない。この場合において、課長は、廃棄する公文書が歴史的公文書(歴史資料として重要な公文書をいう。)に該当するときは、市史を所管する課長と協議し、これを引き継がなければならない。
2 前項本文に規定する廃棄の報告は、文書管理システムにより行うものとする。
3 課長は、保存期間が経過しない公文書及び保存期間が永年に属する公文書について、精査の結果、保存する必要がなくなったと認めるときは、市長の決裁を受けて、これを廃棄することができる。
(保存の延長)
第52条 課長は、保存期間を経過してもなお保存の必要があると認める文書について、その保存期間を一定期間に限り延長することができる。この場合において、延長した保存期間を文書管理システムに記録しなければならない。
(文書の廃棄上の注意)
第53条 廃棄しようとする文書で、秘密に属するもの又は他に悪用されるおそれのあるものは、焼却、裁断又は消去等適切な方法により処分しなければならない。
(公文書の滅失等)
第54条 課長は、公文書を滅失し、又は毀損したときは、その年月日、当該公文書の件数、原因その他必要な事項を総務課長に報告しなければならない。
第6章 雑則
(補則)
第55条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この規則は、令和6年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行日前に保管し、又は保存した公文書の管理については、この規則の規定にかかわらず、橋本市文書取扱規程を廃止する訓令(令和6年橋本市訓令第2号)による廃止前の橋本市文書取扱規程(平成18年橋本市訓令第10号。以下「旧文書規程」という。)に定めるところによる。
3 この規則の規定にかかわらず、令和6年6月30日までの間、旧文書規程の規定により文書を処理することができる。
附則(令和6年4月26日規則第26号)
この規則は、公布の日から施行する。
別表(第43条関係)
保存期間決定基準表
この表は、公文書の標準的な保存期間を定めたものである。
ただし、法令等により別に保存期間の定めがあるものにあっては、当該法令等の定めるところによる。
保存期間 | 文書の区分 |
永年 | 廃置分合及び市域の境界に関する重要なもの 市議会の議決結果、議事録等に関するもの 歴史資料として重要であるもの その他これらの公文書と同程度の保存期間が必要であると認めるもの |
30年 | 市政の基本方針に関するもの 褒章表彰に関するもの 行政委員会等の委員の任免に関するもの 条例及び規則の公布、訓令の公表並びに告示に関すること。 訴訟に関するもの 市長及び副市長の事務引継ぎに関するもの その他これらの公文書と同程度の保存期間が必要であると認めるもの |
10年 | 重要な事務事業の計画に関するもの 条例、規則等例規の制定改廃に関するもの 市議会の議案に関するもの 金銭出納の証拠となるもの 附属機関に対する諮問及び附属機関の答申に関するもの 基金に関するもの 公有財産の取得、管理、処分に関するもの 行政代執行に関するもの 訴訟外の和解に関するもの 部長級の事務引継ぎに関するもの その他これらの公文書と同程度の保存期間が必要であると認めるもの |
5年 | 事務事業の計画に関するもの 許認可、免許、承認、取消等の行政処分に関するもの 予算及び決算に関するもの 補助金、助成金、交付金等に関するもの 行政指導及び勧告に関するもの 請願、要望、陳情等に関するもの 工事の施行に関するもの 契約に関するもの 不服申立てに関するもの 軽易な告示及び公告に関するもの 課長級の事務引継ぎに関するもの その他これらの公文書と同程度の保存期間が必要であると認めるもの |
3年又は1年 | 事務事業に関するもの 申請、報告、届出、通知、照会、回答等に関するもの 予算及び決算に関する軽易なもの 庶務に関するもの 各種連絡会議に関するもの 電子化文書の副本 その他これらの公文書と同程度の保存期間が必要であると認めるもの |
常用 | 台帳、帳簿、名簿など常時使用するもの 運用、法令に関するもので常備する必要があるもの 工事設計図面に関するもの その他長期に渡り使用する文書で、その完結時期が未確定なもの |