○橋本市介護予防・日常生活支援総合事業通所型サービスC実施要綱
令和5年6月21日
告示第111号
(趣旨)
第1条 この告示は、橋本市介護予防・日常生活支援総合事業総合事業実施要綱(平成28年橋本市告示第148号。以下「総合事業実施要綱」という。)第4条第1号イに規定する第1号通所事業のうち通所型短期集中サービス(以下「通所型サービスC」という。)の実施について、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この告示において使用する用語の意義は、総合事業実施要綱で使用する用語の例による。
(事業の委託)
第3条 市長は、総合事業実施要綱第8条第2号の規定に基づき通所型サービスCを委託により実施する。
(1) 介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の47第4項に定める基準に適合する事業者
(2) 市内に事業所を有する社会福祉法人、公益社団法人、民間事業者等
(委託事業の一般原則)
第4条 前条の規定により委託を受けた事業者(以下「受託事業者」という。)は、利用者の意思及び人格を尊重して、常に利用者の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。
2 受託事業者は、前条の規定により委託を受けた事業(以下「委託事業」という。)を運営するに当たっては、地域との結び付きを重視し、市、他の第1号事業を行う者及び指定介護予防サービス事業者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。
(基本方針)
第5条 通所型サービスCは、日常生活に支障のある生活行為を改善するため、理学療法士又は作業療法士が利用者の個別性に応じた包括的なプログラムを行うことにより、利用者の心身機能の回復を図り、もって利用者の生活機能の向上を目指すものでなければならない。
(利用者)
第6条 利用者は、総合事業実施要綱第5条第1項第1号に規定する居宅要支援被保険者等とする。
(委託事業の内容)
第7条 委託事業の内容及び実施体制については、別表に定めるものとする。
(設備及び備品)
第8条 委託事業を実施する事業所は、通所型サービスCを提供する場所を有するほか、通所型サービスCの提供に必要な設備及び備品、並びに火災その他の非常災害に際して必要な設備及び備品を備えなければならない。
(委託事業に要する費用)
第9条 委託事業に要する費用の額は、1回当たり5,000円とする。
(委託料)
第10条 市長は、受託事業者に対し、1回当たり4,800円の委託料を支払うものとする。
(実績報告及び委託料の請求)
第11条 受託事業者は、前条に規定する委託料を市長に請求することができる。
2 前項の請求は、請求書に通所型サービスCの提供の実績が分かる書類を添えて、当該月分をまとめて翌月10日までに行うものとする。ただし、特別な理由がある場合は、この限りではない。
3 市長は前項の請求書を受理した日から30日以内に委託料を受託事業者に支払うものとする。
(利用料)
第12条 通所型サービスCの利用料は、1回当たり200円とする。
2 利用者は、前項の利用料を利用するごと又は1か月ごとに受託事業者に支払わなければならない。
(提供拒否の禁止)
第13条 受託事業者は、正当な理由なく通所型サービスCの提供を拒んではならない。
(心身の状況等の把握)
第14条 受託事業者は、通所型サービスCの提供に当たっては、利用者に係る地域包括支援センター等が開催するサービス担当者会議(指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第37号)第30条第9号に規定するサービス担当者会議をいう。以下同じ。)等を通じて、利用者の心身の状況、その置かれている環境、他の保健医療サービス又は福祉サービスの利用状況等の把握に努めなければならない。
(地域包括支援センター等との連携)
第15条 受託事業者は、通所型サービスCを提供するに当たっては、地域包括支援センター等その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
2 受託事業者は、通所型サービスCの提供の終了に際しては、利用者又はその家族に対して適切な指導を行うとともに、当該利用者に係る地域包括支援センター等に対する情報の提供及び保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
(サービスの提供の記録)
第16条 受託事業者は、通所型サービスCを提供した際には、当該サービスの提供日及び内容その他必要な事項を、利用者の介護予防サービス・支援計画を記載した書面又はこれに準ずる書面に記載しなければならない。
2 受託事業者は、通所型サービスCを提供した際には、提供した具体的なサービス内容を記録するとともに、利用者からの申出があった場合には、文書の交付その他適切な方法により、その情報を利用者に対して提供しなければならない。
(緊急時等の対応)
第17条 受託事業者は、委託事業を安全に実施するために、事故発生時の対応を含むマニュアル等を整備し、常に安全管理に配慮し実施するものとする。
(秘密保持等)
第18条 事業所の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 受託事業者は、当該事業所の従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を講じなければならない。
3 受託事業者は、サービス担当者会議等において、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない。
(地域包括支援センター等に対する利益供与の禁止)
第19条 受託事業者は、地域包括支援センター等又はその従業者に対し、利用者に対して特定の事業者によるサービスを利用させることの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
(苦情処理)
第20条 受託事業者は、提供した通所型サービスCに係る利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 受託事業者は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
(非常災害対策)
第21条 受託事業者は、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
(衛生管理等)
第22条 受託事業者は、利用者の使用する設備及び備品について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 受託事業者は、当該事業所において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(事故発生時の対応)
第23条 受託事業者は、利用者に対する通所型サービスCの提供により事故が発生した場合は、市、当該利用者の家族及び当該利用者に係る地域包括支援センター等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 受託事業者は、前項の事故の状況及び事故に際して講じた措置について記録しなければならない。
3 受託事業者は、利用者に対する通所型サービスCの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
(記録の整備)
第24条 受託事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 受託事業者は、利用者に対する通所型サービスCの提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。
(1) 第16条第2項に規定する具体的なサービスの内容の記録
(2) 第20条第2項に規定する苦情の内容等の記録
(3) 前条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して講じた措置についての記録
(安全管理体制等の確保)
第25条 受託事業者は、通所型サービスCの提供を行っているときに利用者に病状の急変等が生じた場合に備え、緊急時マニュアル等を作成し、その事業所内の従業者に周知徹底を図るとともに、速やかに主治の医師への連絡を行えるよう、緊急時の連絡方法をあらかじめ定めておかなければならない。
2 受託事業者は、通所型サービスCの提供に当たり、転倒等を防止するための環境整備に努めなければならない。
3 受託事業者は、通所型サービスCの提供に当たり、事前に脈拍、血圧等を測定するなど利用者の当日の体調を確認するとともに、無理のない適度なサービスの内容とするよう努めなければならない。
4 受託事業者は、通所型サービスCの提供を行っているときにおいても、利用者の体調の変化に常に気を配り、病状の急変等が生じた場合その他必要な場合には、速やかに主治の医師への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならない。
(補則)
第26条 この告示に定めるもののほか、通所型サービスCの実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
第1条 この告示は、令和5年7月1日から施行する。
(準備行為)
第2条 市長は、この告示の施行日前においても、第3条の規定による委託の実施に関し、必要な手続を行うことができる。
別表(第7条関係)
生活機能向上プログラム
項目 | 内容 |
(1) 目的 | 日常生活を維持改善するために必要な身体運動に気づき、運動の実施やその知識を得ることで、運動器の機能を改善し、自立した生活を送り続けることができるよう支援を行う。また、必要に応じ、口腔機能の維持改善及び食べることを通じて、低栄養状態等の改善を図るとともに、いつまでも「食」を楽しみ、自立した生活を通じて生活の質を高められるよう支援を行う。 |
(2) プログラム概要 | ① 受託事業者は、転倒及び骨折並びに膝痛及び腰痛の予防、加齢に伴う運動機能の低下の予防並びに運動機能の向上を図る観点から、ストレッチ、有酸素運動、簡易な器具を用いた運動等又は機器を使用しない機能的トレーニングを毎回実施するものとする。 ② 必要に応じ、保健・医療の専門職(保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士又は管理栄養士)の指導の下、口腔機能の維持改善、低栄養状態等の改善のための情報提供及び指導を行うものとする。 ③ 必要に応じ、理学療法士又は作業療法士が利用者宅に訪問し、生活機能評価又は生活指導を行うものとする。ただし、月1回を上限とする。 |
(3) 管理者 | 事業所ごとに管理者を置かなければならない。ただし、当該管理者は事業所の管理上支障がない場合は、当該事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所又は施設等の職務に従事することができるものとする。 |
(4) 実施者の要件及び配置人数 | 事業所ごとに理学療法士又は作業療法士を配置するものとする。配置人数は滞りなく通所型サービスCを提供できる必要数とする。なお、理学療法士又は作業療法士の指導の下であれば、理学療法士又は作業療法士以外の者が通所型サービスCを提供できるものとする。 |
(5) 実施期間及び実施回数 | プログラムの実施期間は3か月、実施回数は週2回程度とする。ただし、必要に応じ6か月以内の期間で実施できるものとする。 |
(6) プログラム内容 | ① 事前アセスメント 理学療法士又は作業療法士は、地域包括支援センター等が作成した利用者基本情報、基本チェックリスト、興味関心チェックシート、栄養口腔アセスメント、介護予防サービス・支援計画書等をもとに事前アセスメントを行う。 ② 通所型サービスC個別計画書の作成 理学療法士又は作業療法士は、事前アセスメントの結果を踏まえ、利用者ごとのプログラム内容、実施期間、実施回数等を記載した通所型サービスC個別計画書を利用者に提示し、了解を得たうえで作成しなければならない。その際、当該サービスの終了後も住み慣れた地域で実施されている地域活動や自助努力によって継続した運動習慣(自主的な運動)等の定着につながるように目標設定を行う。 ③ プログラムの実施 受託事業者は、通所型サービスC個別計画書に基づきプログラムを実施する。なお、1日のプログラムの中に、セルフケアのための学習時間を入れること。また、1か月に1回、当該サービスの実施状況、利用者の状態等について報告すること。 ④ 中間アセスメントの実施 理学療法士又は作業療法士は、プログラムの半ばに中間アセスメントを行い、当該サービス実施の成果、目標の達成度及び残されている課題を明確にすること。 ⑤ 事後アセスメントの実施 理学療法士又は作業療法士は、プログラムの終了時に事後アセスメントを行い、利用者の生活機能及び心身機能の改善が十分でないと判断した場合は、最長6か月まで当該サービスの提供を可能とする。その際、プログラム内容等を再検討し目標を明確にし、支援すること。 ⑥ 利用者の送迎 受託事業者は、送迎が必要な利用者に対して事業所と利用者宅間の送迎を行うこと。 |